秋の七草は食べてはいけない?せいたかのっぽのおみなえしの意味と毒の話


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笑える川柳に「ナズナ売り、元はタダだと値切られる」という川柳があるそうですが、確かに秋の七草粥に使われる植物は、元を辿れば雑草です。

江戸時代は、ナズナ売りもいたそうで、高齢者と子供のちょっとした小遣い稼ぎだったそうですよ。

また「せいたかのっぽのおみなえし」の、”おみなえし”って何だかご存じですか?

また、使われる植物の中には健康とは無縁の有毒のものまであるそうです。

秋の七草について、その謎を追ってみました。

Patrinia scabiosifolia

 

 

これもまた中国の風習が変化したもの

 

日本の伝統と思われる中には、非常に多くの中国文化由来の物が多いです。

七草粥の発祥は、旧正月の7日に七種の野菜が入った汁物を食べる、中国の習慣が渡来したものです。

中国では、古来、元旦を鶏、2日を犬、3日がイノシシ、4日が羊、5日が牛、6日が馬の日として定めており、7日は人の日としてこの日だけは、人間を裁いて死刑はしないと決めていたそうです。

そのため、邪気を払い、無病息災を祈るために占いを行って、同時に7つの野菜を食したのです。

この慣習が伝わったのは、平安時代です。

しかし、今のような「雑草」を食べるようになったのは、江戸時代からですね。

江戸時代は、それこそ今のような野菜が常に手に入るわけではありません。

ナズナなども立派なお野菜でした。

しかもとても安かったので、好まれていたそうです。

ちなみに8日は穀物の日です。七草粥は節句の食べ物ですが、では節句とは何でしょうか?

 

節句とは季節の節目

 

Calendar

平安時代から、日本では1年を通じて生きる事が難しい時代でした。

それは収穫は自然次第で決まり、飢饉も病気もそうでしたし、また、さしたる医療もありませんでした。

頼むのは神だのみ、そんな世の中です。

季節の節目でそれまで生きられた事を祝う、だからこそその先の無病息災、子孫繁栄を願うわけです。

7日に七草粥をたべるのも、春と秋というちょうど6ヶ月近辺で行わるからこそ、辛い季節を乗り越えられた感謝の意がそこにあるわけです。

1月7日は人の節句である、人日の節句、3月3日は桃の節句、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕の節句、9月9日は重陽の節句で、全てを合わせ五節句といいます。

 

秋の七草について

 

正確には、春の七草とは言わず「春の七種」と呼ぶそうです。

雪の下から芽吹く植物で、和歌に例えて五七五七七の語呂あわせで覚える人もいますが、栄養を摂る意味よりも、1年を無事過ごせて、最初の野菜を食べられたお祝いのような意味合いが強いですね。

 

では秋の七草はどんな由来があるでしょうか?


(c) .foto project

実は、由来も伝承も無関係という意外な事実があります。

これは以下の歌と大いに関係しています。

 

せいたかのっぽのおみなえし 

はぎ くず ききょう ふじばかま

隠れん坊のなでしこさん 

すすきがみんなを呼んでいる 秋の七草

美しい 色とりどりに美しい

 

この歌の原型は、以下の万葉の歌人、山上憶良の和歌です。

 

秋の野に 咲きたる花を 指折およびおり かき数ふれば 七種ななくさの花

萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花

 

この中の女郎花が、「おみなえし」と呼び、草の高さが60センチから1メートルに達するため、せいたかのっぽとなるわけです。

万葉の頃から日本では愛され、漢方にも用いられています。

和歌の中にある朝貌の花とは、一般的にキキョウを意味するようで、やはり漢方ではお馴染みの植物です。

ただし絶滅危惧種として知られています。

秋の七草とは、萩、すすき、キキョウ、なでしこ、葛、フジバカマ、チメグサとかオミナエシと呼ばれる植物で、葛などは異なりますが、どれも花を愛でるものです。

つまり、万葉の和歌に由来するもので、食べられるものではないんですね。

春の七種とも関連はまったくありません。

 

食べてはいけません

 

秋の七草には、元が漢方として使われることがあったのですが、キキョウなどは、根が漢方として利用されることはあっても、大量に食べれば毒性が強く、下痢や嘔吐があるといわれます。

また春の七草の中の、セリも野生の中には毒性を持つものがあり、採集には注意が必要です。

いずれにしても、秋の七草はあくまでも鑑賞のためのものです。

秋の野山に出かけて、古代の和歌の趣に浸ってみるのもよろしいのではないでしょうか?

謂れを知ると面白いものですね。

 

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